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No.121 公共施設の会場を借りる注意点②

2020.11.29

前回は公共の施設を研修会場として使用する際において、研修開始時刻と研修終了時間の設定について述べました。今回は公共施設の会場そのものについての注意点です。

公共施設の教室を研修会場として使用する場合に、気を付けないといけない最初の点が『施設利を利用する団体が多岐にわたる上に、各教室の防音が十分でない』と言う点です。

ホテルの会場や民間の研修会場であれば使用目的がほぼ決まっており、加えて防音対策もしっかりしています。基本的に他の教室の声や音が漏れ出てくることはなく、思う存分研修を実施することが可能です。しかし、公共施設の場合は隣の教室の借り手が研修利用であるケースはほとんどありません。筆者の体験では、地域の団体が隣の教室で夏の盆踊りの稽古をはじめたため、数時間にわたって民謡が流れてきました。また、役者のコンテストが開かれていた時も数時間、奇声をあげられていた経験もあります。反対に向かいの会場が静かな「ヨガ教室」だったため、こちらの研修に対して“大きな声を出さないように”と注意を受けたケースもあります。

また、気を付けないといけない点の2番目として『利用規制がある』点です。

6月下旬に実施したある自治体の研修では、その年の異常気象で室内が高温になったものの施設の空調(冷房)が7月からしか稼働しない決まりになっていました。しかたなく窓を開けたものの階下では道路工事が行われており大音響と砂埃が酷くて、結局窓は閉める羽目に。たまたま同館階下の子供施設で熱中症を発症した子供がいたため、急遽エアコンが入りその後は研修を継続することができましたが、もしあのまま高温多湿の中で研修を続けていたら…と思うとゾッとしました。

「値段(会場費)が安いから」と言うのが、公共施設を研修会場として借りるメリットだとは思いますが、思わぬデメリットの発生で、とても研修どころではなく「安物の買い(施設)の、ゼニ失い」にならないように気を付けたいものですね。