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No.149 事後課題の重要性(後編)

2021.06.21

2020東京オリンピックにおいて、観客を入れるかどうかの最終調整が進んでいるようです(2021年6月13日現在)。スポーツでも音楽でも、360度すべて臨場感、一体感に包まれる“LIVE”は私たちに大きな感動を与えてくれます。それに比較してパブリックビューイングはどうでしょうか。もちろん、周囲に同じ目的をもった人たちが集まっているために、ある程度の一体感を得ることはできるかも知れませんが、やはり臨場感でいうとライブ会場には劣ります。家のテレビやパソコンで視聴する方法も、生の情報を画面越しに得ることはできますが、あくまで情報を得ているのであって画面の周囲は日常空間。同様に今はどこでもスマホの画面で視聴することもできますが、こちらは更に情報を得ることが主になってしまい、画面から周囲に目をそらすと周囲には日常の風景が広がっています。

この光景は企業の教育研修でも同様のことが言えます。

従来のリアル対面型研修、パブリックビューイングに近いオンライン遠隔会場型での研修受講、そして自宅や会社の会議室でノートPCやスマホで受講する個別視聴型の研修受講方式。一か所に集合して受講する従来のリアル対面型研修だと360度研修空間なので否が応でも受講生の当事者意識が高まります。その反面、オンラインで遠くになればなるほど意識の中の距離感によって研修当事者であるという意識が薄まり、受講生が視聴者や傍観者になってしまいがち。もちろん、どのような形式で参加しても構わないのですが、何度もお伝えしている通り研修では受講後の行動変容が重要です。研修受講時間中の当事者意識が低いのであれば、余計に研修終了後の職場実践が必要になるのです。

そのために使われる大切なツールが『事後課題』です。

研修で学んだことを研修時間中に体感することが出来ないのであれば、研修終了後に実践するしかありません。今日学んだ知識やスキルを、どのようなシチュエーションでどのように実践してみるのかをテーマとして挙げ、そのテーマに沿って職場で実践してみる。やってみた結果を次の研修でお互いに発表しあう(これは、オンラインでも実施可能です)。実施結果を他者からフィードバックを貰って更に次のステップに繋げると言うらせん状の向上ステップが、本来の研修の意図と合致します。リアル対面型研修がオンラインリモート型に変化しつつある現状において、研修の職場実践は更に重要度を増していると言えるでしょう。

次回は、テレワーク時代における職場実践についてお役立ちします。