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No.148 事後課題の重要性(前編)

2021.06.14

以前、このお役立ちコラムで「企業研修には、臨場感、一体感、緊張感が必要」というコラムを掲載しました(新型コロナウイルが蔓延する前のコラムです)。

研修は、講演やセミナーと違って「面白い話が聞けた」「役に立つ情報が得られた」「楽しかった」だけでは不十分。新しく吸収した知識やスキルを職場実践して現在の自分の行動を変容して、成果に結び付けていかなければなりません。そのために重要なのは「腹落ち(=納得感)」であり、加えて行動変容を起こすためには研修終了後の高いモチベーションが必要となるからです。だから、研修時間中に、同席してる仲間との一体感や緊張感を通じて研修内容を体感する必要がある訳ですね。

しかし、リモート研修になると受講生は会場に居ないので臨場感はありません。また、受講生同士で情報や感情の共有はできても一体感を感じるのは難しい。研修終了後の高いモチベーションも感じることはなく、「はい、終わりました」でミーティングを退出。WEB上でアンケートは取るものの、研修会場と違って遅くまで残ってアンケートの自由記入欄に伝えたいことを書く受講生はほぼ皆無です。講師も今一つ手ごたえを感じられず、同様に研修担当者も研修評価がしづらく、どちらかと言うと研修担当者は「(通信トラブルなどの)問題なく、終わってホッとした…」と言う安堵の表情が多いように思います。

つまるところ、受講生も事務局も講師にとってもリモート型研修は「さらっと、終わった」感が強いような気がします。

このコラムで何度もお伝えしているように、講演やビジネスセミナーでは「イイ話しが聞けた」「役に立ちそうだ」などと感じてもらい、サラッと終わっても良いのかもしれませんが(本当はダメなのでしょうが)、前述の通り研修はそれだけでは意味がありません。オンラインでのリモート型研修によって、たとえリアル対面型研修のような「体感」を感じられなくても、研修で得た知識やスキルを通じて日々の行動変容を促すための仕組みづくりが必要なのです。

(後編につづく)