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No.047 正義は下からそっと出す。

2019.07.04

例えば、騒がしくている集団に対していきなり「うるさい!」と怒鳴ると、言われた方はうるさくしていたことに対して反省はするものの「そんな言い方はないだろう!そういう、オマエはどうなんだ!」と反感を持ちます。つまり、伝える内容は正義でも、それを上段に振りかざすと相手とは敵対関係になるのです。

 

自分の意見を通すために、なすべきことのひとつは“正義は下からそっと出す”と言うこと。

 

先ほどの例で言うと「たのしく話しているところに水を差すようで悪いけれど、できればもう少しトーンを低めにしてもらえませんか?」と毅然とした態度で伝えることで、相手の理解は深まります。一度で直らなければ、再度同じトーンで下からそっと出します。それでも直らなければ、また同じトーンで「何度も申し訳ないけれど・・・」と下からそっと出す。「〇〇のようにしてくれませんか?」「〇〇のようにして頂けると、とても嬉しいのですが・・・」「〇〇してくれると、助かります」「あなたの気持ちもよく分かります。しかし、今は〇〇のようにしませんか?」

 

もちろん、すべての段階で正義を下から出す必要はありません。ぜったいに譲れない時、正義と正義がぶつかるときは、相手と対峙しなくてはならない状況もあるでしょう。相手の行動を振り払わなければならない“緊急事態”もこの限りではありません。しかし、人は下から出される意見に対して、自分の正義を上段に振りかざすことを躊躇する動物。

 

相手が自分より弱い立場である場合は、なおさら「なんで、自分が下から・・・」と不満に思うこともあります。だからと言って、怒って、怒鳴って正義を伝えてよいわけではありません。感情的に正義を伝えて相手がこちらの思い通りに動いてくれれば、こんなに簡単なことはありませんが現実は反感を買うケースの方が多いようです。

大切なことはこちらの意思を相手に伝えて、相手が行動を変えてもらうこと。

 

私たちも研修時間中は講師と受講生のガチの場。講師も人間ですから感情的になる時があります。しかし、正しいことを伝える時こそ、こちらには毅然とした態度と、下からそっと出す心の余裕が欲しいものですね。