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No.002 講演とセミナーと研修のちがい

2019.01.06

講演、セミナー、研修はちがいます。
 

講演は基本的に数十名から数百名、多いと千名単位で不特定多数の参加者を募って行います。登壇される方は基本的に著名な方が多く、参加者はその人の話を聞きたくて集まります。例えば、ノーベル賞を受賞した教授やTVに出演している著名人、上場企業の社長・会長やたたき上げの経営者など。

多くは数ページの手元資料を基に投影用のデータを使い、司会者が紹介したあとは一方的に『先生』と呼ばれる方が話します。時間は60分~120分までのことが多く、無料・有料などさまざま。先生にお支払いする報酬はお車代など謝礼程度から有名な企業コンサルタントなどは100万円以上と、こちらもピンキリです。依頼時に新幹線ならグリーン車で、飛行機はビジネスクラス限定、前泊が必要ならホテルはハイクラスで…など指定は多いのも特徴です。

そして講演が、セミナーや研修と一番大きく違うところは講演の場合、当日話す中身は“おまかせ”が多いということです。講演は何を話すか?も大事ですが、“だれが話すのか?”の要素が大きいから。また、相手は“先生”ですから、いろいろ気をつかうことが多いようです。会場の設営に始まり、駅までお迎えに行く、控室の空調温度の設定や、帰りのタクシー手配まで失礼のないようにクライアントが準備しなければなりません。相手が個人だと支払い時に源泉徴収して年度末には支払調書を発行しなければならない時もあります。
 

セミナーはセミナーのテーマについて教えを請いたい、学びたい方を対象に出席者を募って開催されます。ほとんどが有料ですが主催者がその後の集客につなげたい場合や、勉強会などは無料のセミナーも数多くあります。
 

登壇するのは、ビジネスセミナーだとそのテーマに沿った専門知識や経験豊富な『講師/先生』が実施。展示会や勉強会などの場合は主催する企業の担当者が行うセミナーもあります。所用時間も『就活セミナー』のような30分程度のものから、10:00~17:00ぐらいまで終日実施する有料ビジネスセミナーまであります。講演と同じく不特定多数の出席者を“集客”しなければなりませんので、対消費者相手に行う場合を除いてあまりクライアント(一般企業)が行うことはありません。手元資料もそこそこページ数があり、セミナー講師が話す内容はかなり詳しいことが多いです。これも、集まっている方が『知識を得たい』と言う目的が大きいからでしょう。
 

研修は企業や官公庁、自治体などの組織が自社や自組織で働く従業員を対象に、スキルアップや知識付与のために、専門知識や経験を豊富に持った『講師』に依頼して実施します。講師は有名人である必要はなく、基本的に研修会社に依頼して研修会社が講師を選定します。
 

報酬は研修会社との委託契約による『業務請負』であり、講師料は請負契約の中に含まれます。ですので、研修会社が講師にいくら支払っているかはクライアントには分かりません。研修内容によっては遠方から講師を呼ぶ場合もありますので、別途講師交通費や前泊のホテル代を請求されることもありますので、報酬の中に講師交通費が含まれているかどうかを確認しておかなければなりません。通常、クライアントに迷惑をかけたくないのと経費節減のため、新幹線は指定席、飛行機はエコノミー、ホテルはビジネスホテルで…と言う場合が多いです。
 

研修会社に支払う業務委託料は終日研修の場合で最低10万円程度から、銀行系や情報誌系の研修会社、昔から著名な大手研修会社の場合は一日50万円以上の見積りも出てきます。アセスメントと呼ばれる評価研修だと、見積り額は軽く100万円を超えてきます。
 

高い報酬を出せば必ず研修成果が高いか…というと、そうも言えないのが研修業界。ただし、予算が低いとその金額で請けてくれる講師しかいませんので、おのずと研修成果に直結してきます。