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No.143 本当の島型座席配置

2021.05.10

この一年間、新型コロナウイルスの影響で、セミナーや研修のカリキュラムの変更を余儀なくされるケースが後を絶ちませんでした。

その多くは「グループディスカッションは中止、グループでの演習も個人ワークへのカリキュラムの変更をお願いします」というもの。こんな時代ですから、研修会場の窓あドアを開けっぱなしにするなどの換気対策は当然のことソーシャルディスタンスを保つためにもグループで話し合ったり、グループで演習をすることを避けるのは当然のことでしょう。その中でも、「ソーシャルディスタンスさえしっかり取れれば、短時間での少人数討議ならOK」というクライアントもちらほら。職場では隣同士の席や向かいの席の同僚とやり取りしているので、研修でも同程度なら構いませんというクライアントは少なからず存在します。しかし「島型」の座席配置と言えども机三つをTの字型でくっつけあえば、向かい合う受講生同士の机の距離は1m20cmほど。できれば2mは距離を取りたいので、机配置はT字の島型にしつつも二つの机を離して、「コ」の字型にしてしまうクライアントも数多くいるのですが、実はこの状態はあまりよくありません。

人間は不思議なもので、向かい合う人たちとの間に物理的な「溝(ミゾ)」があると、こころにも溝ができてしまうもの。研修で重要な腹を割った話しや本音トークはできない生き物なのです。

こんな時は、ひと手間かけてコの字にならないように空いている空間に机をひとつ入れましょう。これで本当に6人掛けの「島」ができあがります。2名ずつ6名の受講生がコの字で座ると不思議なもので原告と被告、そして裁判官というような形が自然と出来上がり、自由闊達に意見交換ができないのですが、間に空間の無い本当の島形式にすると一体感が生まれます。

大きなテーブルをみんなで囲む感覚、ぜひ一度やってみてください。これって、研修だけでなく職場のミーティングでも同じような作用がありますよ。