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No.119 終了時間30分のバッファ

2020.11.15

研修は生き物なので、同じカリキュラムでも受講生によってテンポよく充実した内容で進むこともあれば、講師が力技(ちからわざ)でなんとか引っ張っていく場合もあります。

一般的に受講生の一体感、臨場感、高揚感のあるケースではカリキュラムの消化は少なくなりがち。これは、ひとつのカリキュラムに受講生が食いついてくるので、討議が活性化してディスカッションがなかなか終わらなかったり、多くの意見が出るために討議が白熱して発表用の模造紙が出来上がらなかったり…。ただし、これは研修効果としては比較的高い結果が見込まれるケース。逆に討議やアクティビティが盛り上がらないと、ひとつひとつのカリキュラムがサラッと終わってしまうので、思ったよりカリキュラムの消化スピードが上がってしまい研修が早めに終了してしまうこともあります。当然のことながら、研修のノリが悪いので全体的に研修効果が薄いと言うケースもちらほら。受講生の反応をまったく気にしない講師も居られますが、多くの講師はやはり受講生の食いつきの良い研修を目指すので、盛り上がりと反比例して予定していたカリキュラムの消化スピードが遅くなります。

そんな時、気になるのが研修の終了時間。

通常、研修終了の10分~15分前にカリキュラムを消化して残りの時間でアンケートを書いたり、会場の原状復帰をするのですが、これが意外と至難の業。一般の方には分かりにくいですが毎回ドンピシャに終了時間10分前に研修終了する講師は、かなりデキル講師なのです。

こんなデキる講師でも、クライアントから「一応、17時メドで終了してください。ただし、終業時間が17時30分なので、多少後ろに延びても構いません。受講生もそのことは納得していますので…」と、30分のバッファの時間を取ってくれると、とても気がラク。本来の研修終了時間を過ぎてしまい、受講生も壁掛け時計をちらちら見ながら「いつ終わるんだろう…」と気がそぞろになったり、時間内に終了しようとかなりのスピードでカリキュラムを巻くこともなく、自然に研修が着陸できます。

終わりよければすべて良し…ではありませんが、終了時間に余裕を持ってもらえると落ち着いて運営に臨めることもあるんです。