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No.071 外部会場を借りる(2)

2019.12.08

前回と今回は、クライアントが外部会場を借りる際に知っておきたいポイントをふたつお伝えしています。今回は第二回目、会場を借りる『利用時間』です。

●会場を借りる時間

なるべく、コストをかけずに研修実施したいのは教育担当者だけでなく皆さんが感じておられることと思います。通常、外部会場は“時間制”をとっているケースが多く、一時間〇〇円や、朝間・昼間・夜間などに分かれて料金設定されていることも多くあります。ここで大切なことは、研修時間とは研修を実施している時間ではなく、準備や開始前のトラブル、早く会場に到着する受講生がいること、思わぬ事態で研修終了が後ろに延びたり、後片付けの時間などを考慮して借りなくてはいけないということです。

通常一日研修の場合は、9時開始~17時(もしくは17:30)終了が多いと思います。この場合、できれば朝8:15には教室のカギを貰って入室したいものです。入室したら、まずは教室内が指定した受講生人数分の座席配置(スクール形式や島型など)になっているかどうか?の確認。効果にタイムラグのある教室内の室温調整もこの時間に行っておきます。次に本日必要な資料や備品類が到着しているかを確認して、当日使用するテキストやレジメを各机に配布を行います。それが終われば、そろそろ講師がやってくる時間(講師は通常開始30分前頃に教室入りします)なので、講師の水の用意、講師が到着すれば投影用データがきちんと映るかどうか、音声が出るかどうかをPCとプロジェクターを接続して確認します。講師とは部長の挨拶や講師紹介についてなど、冒頭の時間の使い方を打ち合わせたり、途中のお手洗い休憩の時間、昼休憩の開始時間や所要時間、終了時の事務(アンケートを取る、事務連絡の有無など)連絡、教室の原状復帰が必要かどうかなどの打ち合わせを行います。

特に多いトラブルが、『パソコンからプロジェクターにデータ信号が行かず、投影できない』と言うもの。

これは外部会場でも社内会議室でも非常に多いトラブルで、この解決にはとても時間がかかるケースがほとんど。外部会場ですと、受付から技術の人を呼んでもらってケーブルを交換したり、プロジェクターを交換したりするケースも多々あります。こう考えると、研修会場に入室してから研修開始までには、それ相当の時間が必要なことがわかりますね。

終了時も同じで、事後課題の説明やアンケートの記入、事務連絡で結構時間を取ることが多いのが実情です。研修終了後に講師が受講生の質問に応えたり、撤収作業でも時間はかかるので、17時終了の研修なら会場の返却は1時間後の18時まで予約をしておきましょう。

特に気を付けたいのが、〇〇会館や〇〇学習センターなど、自治体や行政が運営している会議室を研修会場にする場合です。通常、公共施設は8:45分くらいからしか鍵の貸し出しを行っておらず、9時研修開始だと非常にバタバタしますし、早く会場に到着した受講生や研修講師は、鍵が開くまで外で立って待っている…など研修開始前に疲れてしまうことも起こりがち。

公共施設利用で特に気を付けたいのが“終了時間”です。

公共機関の場合は研修終了時のカギの返還も時間厳守で厳格な場合が多く、時間が来ると係員が来て退室を急き立てられます。加えて、何かの理由で研修が後ろに延びたり後片付け(通常、公共施設の場合は机の原状復帰も必要)が間に合わなかったりすると、夜間の教室利用団体が外で待っていたりすることもあります。

正直なところ公共機関の会場を利用した企業研修は、不向きであると断言しても良さそうです。

研修で大切なことは、【余裕】です。

会場の広さの余裕、研修時間の余裕、詰め込み過ぎないカリキュラムの余裕、受講生人数を過剰に多くしない余裕、そしてクライアント事務局の心の余裕です。ぜひ、研修会場と時間の関係も考慮に入れて会場確保をしてみてください。



次回は、“研修を社内の会議室を使う”です。